立ち姿勢を良くして肩こり解消
良い立ち姿勢は、いくつの指標が一直線上になるように
私たちが体を曲げたりできるのは体にたくさんの関節があるためです。しかし、この関節は、姿勢を不安定にする原因にもなっています。そのため姿勢を安定させるには、筋肉で関節を支えなくてはなりません。
例えば脚(あし)は、ひざ関節があるため、骨だけで立っているとグラグラし、姿勢が不安定になるので筋肉でひざの関節を支える必要があります。
ただ、骨で作る立ち姿勢が不安定だと、筋肉で必要以上に補わなくてはいけないので、どうしても筋肉への負担が大きくなってしまいます。逆に、安定して高く積みあげた積み木のように、骨の積み上げ方で立ち姿勢がより安定すると、筋肉の負担も少なくてすむのです。
良い立ち姿勢
座っている姿勢と同じく、立っているときの姿勢も、底辺となる床と接している部分の状態によってほぼ決まります。それは足、足首から膝下の骨(「下腿:かたい」といいます)の部分です。
@ 左右の踵(かかと)はぴったりとつけ、つま先は軽く離して、足でVの字を作ります。これだけでも、姿勢は随分と良くなりますよ。また、体重を足の裏の、特に土踏まずから少し前側(親指側)で支えるように、意識してみましょう。
A 膝は伸ばします。軽くお尻や下っ腹の筋肉に力を入れて、骨盤を起こしましょう。これだけで、腰から背中がすーっと伸びてきます。
B 軽く胸をはりましょう。肩の力を抜いて、鳥や天使が羽を閉じたときのような感じで、肩甲骨を軽く後ろに降ろしてみましょう。
C 軽く顎(あご)を引き、顔全体で前を向きましょう。
このような姿勢を気をつけると、右図のように体のいくつかの指標が、一直線に並びます。
靴の選び方の工夫
男性の場合、スポーツシューズなど
男性のビジネスシューズや、スポーツのときに履くようなトレーニングシューズを見ても、”かかと”がわずかですが高くなっているものが多く見られます。このような靴を選ぶと良いでしょう。
つま先よりも”かかと”が1〜3cm程度高くなっている靴では、足の開き方にもよりますが自然と土踏まずから足の前側に体重がかかります。
女性の場合
3cm前後のローヒールの靴が、比較的立ちやすいのではないでしょうか。最近では、ヒールのある靴でも、土踏まずをサポートするような膨らみ(アーチサポート)を設けてくれているものが増えましたので、アーチサポートのある靴を選ぶと、足の疲れやすさが随分と違いますし、これは姿勢にも影響します。もし、アーチサポートがない場合は、お化粧用のパフを土踏まずの、靴から浮いてしまう部分に当てておくとよいでしょう。
立ち姿勢の安定のために
肩こりを起こす筋肉は、地面から一番遠いの頸(くび)や頭を支えています。この頸(くび)や頭の位置は、実は姿勢を保つための大切な役割を果たしています(「姿勢反射」といいます)。つまり、足の裏から肩にいたるまでの体の状態(前かがみ、反り返りなどの色々な姿勢)に応じて、肩甲骨や頸、頭の位置は敏感に反応し、変化します。そのため、まずは脚(あし)と腹筋で骨盤をきちんと支えると、上半身はまっすぐにのびますし、頸(あご)や頭は自然と楽な位置におさまるんです。
立ち姿勢が安定するためには、お臍(へそ)より下から脚の筋力がとても重要です。特に、太ももの裏側にある筋肉と、ふくらはぎの筋肉、更にへそより下側の腹筋を鍛えておくと、姿勢が安定しやすくなります。