歯のかみ合わせ不良、顎の関節の問題に由来する肩こり
以下の症状は口腔外科あるいは整形外科へ
歯のかみ合わせや顎(あご)の状態はどちらも、食べ物を噛み砕く動作である「咀嚼:そしゃく」に影響します。
咀嚼は、頭蓋骨と一体となっている上顎に、下顎の骨を引き寄せるという動きが主で、その関節である顎関節は、耳たぶのやや前側にあります。
咀嚼するときは、頭蓋骨と上顎を固定して、下顎の骨を重力に抗して上へ持ち上げます。つまり、ほんのわずかではありますが、咀嚼するときは頭蓋骨の位置を固定しておくために、頸の周りの筋肉の収縮が必要になります。さらに、食べ物を噛み砕くとき、片側の奥歯だけで噛む習慣がついてしまうと、その側の咀嚼筋や頸周囲の筋肉にのみ負担がかかって、筋肉疲労から肩こりを起こすことがあります。
食べ物を噛むときは、左右の奥歯を均等に使うように心がけましょう。
歯のかみ合わせが悪い場合、食事の際に咀嚼筋に余計な力がかかることがあります。
また、顎の関節に痛みがあったり、下顎の骨がズレていることで、口を開け閉めするときに顎関節が痛くなったりした場合にも、防御的に咀嚼筋が緊張することがあります。どちらも咀嚼筋の緊張を招く結果になるのですが、頭蓋骨を介して肩こり筋へも影響を及ぼします。
口を大きく開けるときに、耳たぶの前側で「カクッ」と音がなる、またそのときに痛みがある、食べ物をかむ時に下顎の骨が不自然に左右に動く、などの症状がある場合は、口腔外科あるいは整形外科を受診してみてください。