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好ましくない姿勢の保持による肩こり

頸椎が弓なり状の姿勢が正常

ここでは、好ましくない姿勢をとり続けた場合に、なぜ肩こりになるのかを説明します。


好ましくない姿勢は、抗重力筋に負担がかかる

 「筋肉疲労による肩こりの原因」のページで、筋肉疲労による肩こりの原因は、抗重力筋の疲れにあると書きました。この抗重力筋は、胴体と頭が床に着いているときはお休みしていることが多いです。しかし、一度頭が床から離れると、必ずと言ってよいほど働いています。立っている姿勢で人間が前を見続けているためには、この抗重力筋が働き続ける必要があります。その上、二本脚で歩き両手を自由に使うことを選択した人間では、その抗重力筋で肩甲骨から両腕の重さまでも吊り上げる必要が出てきました。つまり、この抗重力筋は、頭と両腕の重さ(体重の約20%)を支えているのです。



好ましくない姿勢とはどんな姿勢か?

 抗重力筋に最も負担のかかる姿勢(好ましくない姿勢)とは、肩から腕の部分では背中が丸くなっている猫背で、両腕が胴体よりも前に垂れ下がった状態です。また、頭では、顎(あご)を突き出し胴体よりも顔が前へ突き出された状態(何かを覗き込むような格好)です。一時的にこの姿勢をとるのは問題ないのですが、日常生活の中でそのような姿勢を長時間とり続けていると、筋肉は強く働く必要が出てきます。



同じ姿勢をとり続けるとどうなるか?

 筋肉が働き続けるためには、酸素と栄養素が必要です。また、筋肉でそれらを消費して出来た二酸化炭素などを筋肉から洗い出すことも大切で、筋肉が働いている間は特に血液の流れが重要になります。

 しかし、筋肉が働き続けていると、筋肉自体が血管を圧迫し、血流を減らしたり滞らせてしまう場合があります。すると、筋肉は酸欠状態を起こして更に硬くなったり、乳酸を作り出します。

 ある姿勢をとり続けて、一定時間毎に肩を回すなど筋肉をリラックスする時間を設けないでいると、頭と腕の重さを支えて姿勢を保つために筋肉は収縮し続けるため、徐々に血液不足、酸欠に陥ってしまうのです。



正常な姿勢とは、頚椎が一直線ではなく、弓なり状

 突然ですが、円柱形の積み木を縦に積み上げた状態を想像してください。

 バランスの良い積み上げ方は、何らかの支えがなくても、その状態を維持することができます。

 逆に、バランスの悪い積み上げ方は、そのままでは上に載っている積み木は、いずれ下に落ちてしまいます。バランスの悪い積み上げ方をそのまま維持しようと思うと、手を添えたり、ゴムや紐で支えを作ってあげなければいけません。

 人にとって好ましくない姿勢とは、このバランスの悪い積み木の積み上げ方に似ています。その姿勢を常に保ち続けるために、筋肉は働き続けなけなければいけません。そのうえ、力学的にも負担がかかりやすいので、バランスの良い積み上げ方をした積み木の場合と比べ、多いときで1.5から2倍の力が筋肉にかかります。

 そんな姿勢を長時間とり続けていると、筋肉はまったく休まることがありません。

 では、「胴体と頭が一直線上に並んでいれば、抗重力筋は働かなくてもよいのでは?」と思われるかもしれません。けれど、そうもいかないのです。

 人の胴体と頭は、頸椎(けいつい)という骨でつながれています。頸椎は多少前に出っ張った弓なりになっていますが、これが正常です。

弓なり状になることで安定しやすくなり、筋肉にかかる負担を減らしているのです。

 この頸椎、実は頭のやや後ろ側でつながっています。つまり、頸椎が下の積み木、頭が上の積み木とすると、上の積み木は顔や顎(あご)の部分が極端に前へ出た状態で、下の積み木に積みあがっていると例えることができます。そのため、頭が床から離れた時点から、抗重力筋の働きが必要になるのです。

 座って安静にしている状態でも、肩こりになりやすい筋肉は常に働き、さらに安定性の悪い積み木の状態、つまり不良姿勢をとり続けているとその数倍の力が筋肉にかかります。さらに、その不良姿勢を数時間とり続けた上に筋肉を休ませてあげるような何らかの行動をしないと・・・あとはお分かりですよね。


好ましくない姿勢による肩こりの解消方法

このように、好ましくない姿勢を続けることによって肩こりが生じている場合は、次のような解消方法がおすすめです。




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