適切ではない下着の選択による肩こり
カップはバストに合っていますか?
下着がきちんと体に合っていないために肩こりを起こすというのは、特に女性に多く見られます。その理由には、以下のようなことがあげられます。
- バストをきちんと支えていないため、体のバランスが崩れる
- 体型を気にするあまり、矯正下着で過度に体を締め付けているために、体や心が極端に緊張している。
- さらに、体の締め付けは、呼吸のパターンまでも変化させる。
バストをきちんと支えていないため、体のバランスが崩れる
女性にとっては、バストの大きさに一喜一憂することもあるかと思います。バストが比較的大きめな女性に、肩こりが多く見られます。
バストは、ブラジャーのカップと、更に肩紐で支えられています。カップがバストの形状や大きさに合っていないと、バストをきちんと支えられず、その重さが肩紐にかかります。肩紐は、その重さを肩甲骨や鎖骨に伝えます。
このとき、肩紐の締め方が強すぎると、肩甲骨や鎖骨を下へ押し下げる力になります。肩甲骨や鎖骨が無理に下側に引っ張られると、それに抵抗するように肩こりを起こす筋肉も収縮します。このつながりが、ブラジャーを着けている間中続くため、筋肉は疲れて肩こりを起こします。
さらに、バストをカップできちんと押さえられないと、体の前側に錘(おもり)を持っているのと同じ状態になります。上半身だけが猫背のような状態になるのです。この姿勢の乱れが原因で、頸から肩の筋肉の疲れから肩こりへとつながります。
体型を気にするあまり、矯正下着で体を締め付ける
和服などを着ると、体も心も疲れますよね。普段、着慣れないものを着たからというのもありますが、帯による体の締め付け、和服という着衣の乱れに極端に気を配る必要がある服装は、精神的にも緊張を強いることになります。
この場合、緊張は「ストレス」になります。自律神経のうちの交感神経が働くために、体の中で様々な変化が起こります。(「ストレスによる肩こり」の項を参照してください)
また、人間は常時呼吸をしていますが、胸やお腹を極端に締め付けていると、呼吸パターンが変化します。人が息を吸うときは、胸(肋骨)やお腹は膨らみますよね。これを下着で締め付けていると、息苦しく感じませんか。この息苦しさを我慢しても、呼吸を止めるわけにはいかないため、人は「肩で息をする」ようになります。
つまり、息を吸うために鎖骨や肩甲骨を持ち上げるのです。この方法では、胸やお腹で息を吸う場合と比べて、吸い込むことができる空気の量が極端に少ないので、それを呼吸の回数を増やすことで補っているのです。すなわち、肩甲骨や鎖骨を持ち上げる回数が多くなるため、その分頸から肩の筋肉が働く回数が増えるため、筋肉は疲れて肩こりになってしまうのです。