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肥満、なで肩など体型による肩こり

脂肪の重さ、筋肉の少なさから肩こりに

 肩こりと体型は、無関係とはいえません。

 皮下脂肪が多くて全体的にふくよかな人、メタボ気味に内臓脂肪が多くてお腹が突き出ている人、これとは全く逆に鎖骨や頸(くび)の骨まで見えそうなほどに痩せている人、更にハンドバッグを肩にかけても下がってしまいそうなほどのなで肩の人、いずれも、肩こりになりそうなのは、何となく想像がつきます。でも、どうしてでしょうか?それには理由があります。以下では、体型別に、肩こりになる原因と解消方法を解説していきます。




皮下脂肪の多いふくよかな人が肩こりになる原因と解消方法

 皮下脂肪が多くふくよかな人が、なぜ肩こりになりやすのかを説明します。この肩こりは、女性ホルモンの関係で皮下脂肪が多くなる女性に多いです。尚、ふくよかと言っても、男性でお腹だけが突き出たような体型になっている人は、内臓脂肪が多い可能性が高いので「内蔵脂肪の多い人が肩こりになる原因と解消方法」をご覧ください。

 皮下脂肪が多くふくよかな人が肩こりになる原因は、腕や肩周囲の脂肪の量が錘(おもり)になって、肩の筋肉への過負荷になって筋肉疲労を起こしていることが多いです。

 肩の関節は、グルグルと大きく回すことができます。生活の中で、肩から腕、手を使うことが多いので、人類の発展の過程で肩の関節は、安定性よりも自由に動くことを選択してきました。その結果、関節は緩めに作られて、靭帯と筋肉で腕の重さを吊り上げるという形になりました。

 その腕の重さを吊り上げ支えているのは、肩甲骨と鎖骨ですが、体に直接つながっているのは、鎖骨の片端のみです。鎖骨の反対側には肩甲骨がついていますが、この肩甲骨は肋骨の上に浮き上がっているのみで、その位置はやはり肩甲骨周辺についている筋肉で保持されています。

 つまり、頸(くび)から鎖骨、肩甲骨周辺についている筋肉は、肩甲骨の重さとそこにつながる腕全体の重さの両方を、支えていることになります。それと同時に、頸より上にある重たい頭も支えているので、頸から肩にかけての筋肉には、相当な筋力が必要になります。

 そんな状態にあるところで、皮下脂肪が増えたことで腕が重くなれば、必然的に肩の筋肉への負担も増えることは、想像できますよね。

 一方で、肥満になる方の多くは、運動が嫌いな傾向にあります。そのため、肩周辺の筋力は変わらないか弱っていくのに、腕には脂肪がついて重くなる。両者正反対の方向へ変化していくことで、重さと筋力のアンバランスが生じ、そのうちに肩周辺の筋肉疲労を起こしてしまうのです。

 皮下脂肪が多い人の肩こりの解消方法は、「ダイエットで肩こり解消」をご覧ください。




メタボ気味に内蔵脂肪が多い人が肩こりになる原因と解消方法

 メタボ気味に内蔵脂肪が多い人が、なぜ肩こりになりやすのかを説明します。この肩こりは男性に多いです。男性の骨格筋は女性に比べると発達気味、皮下脂肪は少ないのですが、内臓脂肪が多くつきやすいためです。お腹だけが突き出たような体型になっていることが多いのが特徴です。妊娠後期にある女性も、お腹が前に突き出ている上に、腹筋が働きにくくなっているので、この肩こりに当てはまります。

メタボ気味に内蔵脂肪が多い人が肩こりになる原因は、体の一部分が極端に出っ張ることで、立っているときの姿勢が崩れ、それをかばう形で頸や肩の位置が正しい位置からずれてしまっているためです。

 メタボリックシンドロームに関する情報が、巷をにぎわすようになってからでしょうか、お腹が極端に突き出た体型の男性が少なくなってきたように感じます。それでも、腹筋が弱い人では、お腹こそ突き出てはいないまでも、似たような立ち姿勢になっていることが多いです。

 内臓脂肪が増えてお腹が突き出た体型は、体の前側にリュックを持ったのと同じ状態になります。体の前側が重くなるので、背中を反らして上半身全体でその重さを支えようとするのです。お腹と肩甲骨周辺とで相反する方向に動いた結果、バランスを取るために頭は本来の正しい位置よりも前側に移動せざるを得なくなります。



図3

 肩周辺の筋肉は、前側に移動した頭の重さを支える結果になるため、頭が正常な位置にある場合よりも過剰な負荷を抱えることになるため、筋肉疲労を起こし肩こりへとつながります。

 メタボ気味の人の肩こり解消方法は、「ダイエットで肩こり解消」をご覧ください。




痩せている人が肩こりになりやすい原因と解消方法

 痩せている人が、なぜ肩こりになりやすのかを説明します。


痩せている人が肩こりになる原因は、頸(くび)や肩、肩甲骨周辺の筋力が不足しているので、重さと筋力のアンバランスから筋肉疲労を起こしているためです。

 肩甲骨は、鎖骨にぶら下がり、かつ肋骨の上に浮いた状態にあります。そんなフラフラと不安定な肩甲骨が、肩から腕の重さを支えなければならないのです。地面に十分に固定されていないクレーン車が、アームを操作しているようなものです。

 肩甲骨で腕の重さをしっかり支えるためには、肩甲骨を取り囲んでいるあらゆる筋肉が働くことが重要になります。

 ところが、この肩甲骨の周りにある筋肉が十分な筋力をもっていないと、肩甲骨が腕の重さに引っ張られ前下方へ引き下げられてしまいます。このあおりをもろに受けるのが、肩の筋肉と両側の肩甲骨の間にある筋肉です。腕の重さで引っ張られていく肩甲骨を、「待って〜」と言うかのように弱い筋力で引き止めようと、頑張っているのです。起き上がっている間中、そんな状態が続いてしまうと、筋肉が疲れ切ってしまいます。

 痩せている人の肩こりの解消方法は、「運動して筋力をつける」をご覧ください。




なで肩の人が肩こりになりやすい原因と解消方法

 なで肩の人が、なぜ肩こりになりやすのかを説明します。

 「なで肩」は、鎖骨と肩甲骨の高さが、本来あるべき位置よりも低くなっていることといえます。「なで肩」になってしまう原因を解消すれば、肩こりも少しは解消できるかと思います。

 なで肩の人の肩こりの解消方法は、「なで肩になる原因を探る」をご覧ください。




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