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なで肩になる原因を探る

運動やカバンの持ち方を変えると良いです

 「なで肩」は、鎖骨と肩甲骨の高さが、本来あるべき位置よりも低くなっていることといえます。「なで肩」になってしまう原因を解消すれば、肩こりも少しは解消できるかと思います。

 ただ、肩こり自体は色々な原因が重なって起こるので、「なで肩」を解消しただけで肩こりが治るというものでもないことが考えられます。

 「なで肩」を少しでも改善することで、肩こりになる危険性を減らす、と考えるとよいのかもしれません。

 なで肩になってしまう原因として、以下のことが考えられます。



もともと、なで肩である(先天的なもの)

 生来、骨格的になで肩である人の場合は、その位置を無理に変えることは難しいのかもしれません。

 ただ、生活習慣で肩に重たいかばんを掛けることが多いとか、鎖骨や肩甲骨を下に引き下げるような筋肉の異常な緊張が絡んでいる場合は、これを解消すると、なで肩も幾分変化するかもしれませんね。



日常的に物を強い力で引っ張ることが多い

 肩甲骨を下へ引っ張る力が働いていれば、その位置は下がりますし、「なで肩」に見えますよね。

 ただ、単純に肩甲骨が下に引っ張られているだけとも言い切れないかも知れません。肩甲骨は上側(頭側)、内側(背骨側)や外側(わきの下)、更に裏側(肋骨との間の隙間)にも筋肉はあります。肩甲骨を四方取り囲む筋肉の緊張にアンバランスが生じれば、鎖骨や肩甲骨の位置は筋肉の緊張の高い側に引っ張られるということになります。

僧帽筋の下部線維

 肩甲骨を下に引っ張る筋肉は、僧帽筋の下部線維(右図参照)が挙げられます。

 お仕事などで、日常的に物を強い力で引っ張ることが多いと、これらの筋肉が緊張しやすくなるかもしれません。

 一方で、肩甲骨を上側へ引っ張る、僧帽筋上部線維や肩甲挙筋の筋力の弱化を伴っていたりすると、筋肉の緊張のアンバランスで、肩甲骨は下側へ引き下げられてしまいます。

 このような場合には、

(1)肩甲骨を下に引っ張る筋肉の緊張をほぐす
(2)肩甲骨の上側にある筋肉を鍛える

この2つが大切になります。(1)では、ストレッチをしたり、マッサージを受けると良いでしょう。また、(1)と(2)の両者共に、エアロビクスや水泳などを行うことも、効果的です。

 どちらか一方というよりも両方を併用したほうが、肩こりは楽になりやすいですよ。



重たいカバンやリュックなどを肩に下げることが多い

 重たいカバンやリュックなどを肩に下げることが多い場合、次のような現象が起こります。

(1)重たいカバンで肩こりの筋肉が強い力で引っ張られる
(2)肩に掛けた重たいカバンを引き上げようと、筋肉が常に働き、筋肉疲労を起こす

それぞれの対処方法を次に見ていきます。


重たいカバンで肩こりの筋肉が強い力で引っ張られている場合の対処

 リュックを背負っている場合、胸を張って体を真っ直ぐに伸ばすと、リュックの重みはすべて肩にかかるので、肩甲骨や鎖骨を下に引き下げてしまいます。このような場合は、僧帽筋上部線維や肩甲挙筋だけではなく、鎖骨を上に引き上げる筋肉(胸鎖乳突筋、斜角筋など)にも症状が出てきます。

 リュックの形状にもよりますが、リュックの下側にあるベルトなどをウエストや腰に巻いて、リュックの重さを下から支えてあげるとよいでしょう。

 もしくは、本当は腰にはあまり良くないのですが、時々背中を少し丸めて、リュックの重さを背中で支えるのも一つの方法です。

肩に掛けた重たいカバンを引き上げようと、筋肉が常に働き、筋肉疲労を起こしている場合の対処

 リュックの場合とは違って、荷物やその肩紐が肩のどちらか一方にだけかかっているというのは、本当に疲れます。ちょっと気が緩むと、肩からかけ紐が落ちてしまうので、肩こりを起こす筋肉が常に働いて肩甲骨を持ち上げていなければならないため、筋疲労を起こします。

 ショルダーバッグなど、肩のどちらか一方にかけるバッグをお使いの方では、左右どちらか一方の肩だけにかけ紐をかける癖のようなものがあります。

 かけ紐をよく掛ける側で肩こりが酷い、反対の肩よりも若干下がり気味、上がり気味などの症状がひどい場合は、一定時間(30分程度)を目安にして、かけ紐をかける肩を交代してみましょう。また、かけ紐を外した肩や肩甲骨を回して、筋肉の緊張をほぐしたり、筋肉を刺激してあげるとよいでしょう。

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